映画『鬼滅の刃無限城編』とほぼ同時期に公開された映画『ChaO』
制作に数年もかけた力作でありながら、なんと公開3日間で興行収入1500万円の大爆死を遂げたと話題になっています。
今回は、この映画が爆死した理由や問題点についてまとめていきます!
史上最大級の『アニメ映画爆死事件』が発生
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2024年8月15日に公開されたアニメ映画「ChaO」。
300館以上での大規模公開にも関わらず、 公開3日間で動員約1万人、興行収入わずか1500万円という驚愕の数字を記録しました。
この結果は「今世紀最大の爆死映画」とまで言われています。
映画「ChaO」とは何だったのか?
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作品基本情報
- 制作会社:Studio 4℃
- 監督:青木康弘
- 配給:東宝
- 制作期間:7年間
- 総作画枚数:10万枚以上
- 上映時間:89分
- 舞台:人間と人魚が共存する未来の上海
「ChaO」は、『鉄コン筋クリート』などで有名な実力あるアニメ制作会社Studio 4℃が手掛けたオリジナルアニメーション映画です。
人間と人魚が共存する近未来を舞台に、船舶会社で働く青年ステファンと人魚王国の姫チャオの 種族を超えた恋愛を描いています。
Studio 4℃といえば、他にも「海獣の子供」「えんとつ町のプペル」など最近も話題になった高品質なアニメーション作品を手がける名門スタジオ!
同社が満を持して送り出した この作品は、構想から7年の歳月をかけ、総作画枚数10万枚という圧倒的なスケールで制作されたとのことです。
どれほどの爆死だったのか?数字で見る衝撃の実態
公開3日間の成績
- 観客動員数:約1万人
- 興行収入:1500万円
- 上映館数:300館以上
- 座席稼働率:3%
- 1館あたり収入:50万円ほど
この数字がどれほど異常かは、他の映画と比較すると明らかになります。
同じ時期に公開された「鬼滅の刃」は280億円以上の興行収入を記録する中、 「ChaO」の1500万円という数字は300館という上映規模を考えると驚きです。
300館規模での公開は通常、コナンやジブリなど大作が行う規模であり、 そのような規模で公開して1館あたり平均50万円という数字は、 前代未聞と言えるでしょう。
鬼滅の刃は今、世間で流行の作品でもあるため、観客が流れてしまうのは仕方がないこと…とはいえ、あまりにもひどい結果ですね。
ちなみに、同制作会社が以前公開した『えんとつ町のプぺル』は最終的な興行収入が24億円、観客動員数が170万人とのこと。
一般的に、興行収入が10億超えたらヒットと呼ばれ、100億超えたらメガヒットとされるそうです。
映画の公開は初日から初週末にかけてが最も高く、その後減少する傾向にあるため、ここからの持ち直しはかなり難しいと言えます。
なぜ「ChaO」は爆死したのか?5つの要因を分析
圧倒的な宣伝不足
tiktokでアニメ映画の宣伝ばっか流れてたやつ、名前知らなかったけどチャオって言うんだ
— mkdk (@_cc7eb1) August 25, 2025
キャラデザ好きくないし、ステマ疑惑で草(なんか見た)
最大の要因は宣伝不足です。
多くの映画ファンであっても「ChaO」の存在を知っている方は少なかったでしょう。
テレビCMはほとんど放送されず、インターネット上での話題作りも不十分でした。
一部SNSなどで発信されていたようですが、話題にするには少し宣伝が足りなかったと言えます。
300館規模で公開するなら、通常は数億円規模の宣伝費が投じられるはずですが…「ChaO」はそれに見合った宣伝戦略が取られていなかった印象です。
最悪の公開タイミング
鬼滅の刃がまた大ヒットを飛ばす裏で、爆死中のアニメ映画ChaO!チャオ。この絵柄はダメだと思うんだ。
— ファーさん。 (@kato_fa) August 20, 2025
しかも特にCM無し。そら爆死するわ。 pic.twitter.com/feZ9iqvPkF
2025年は映画業界の激戦区でした。
最も強かったのは「鬼滅の刃」、他は「クレヨンしんちゃん」などでしょう。
知名度の低いオリジナルアニメが、このような激戦区で勝負を挑むのは無謀だったと言わざるを得ません。
クセの強すぎるキャラクターデザイン
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Studio 4℃らしい独特なキャラクターデザインは、一般観客には受け入れられにくいものでした。
特に鼻の描写や全体的なバランスが独特で、キャッチーさに欠けています。
唯一手放しで可愛いと言えるのがヒロインのチャオだけ。
他のキャラクターも人間なのに人間らしくない見た目で混乱します。
個人的には、こういった特徴的な作画自体は嫌いではないものの、今作についてはちょっと物語に没頭できないくらいの違和感を感じますね。
ただ、全体的な映像は素晴らしいので、そこはさすがと言えます。
アニメ映画では第一印象が重要ですが、ビジュアルの時点で多くの観客が 敬遠してしまった可能性が高いです。
ありふれた「人魚姫」ストーリー
人魚姫をモチーフにした作品は既に多数存在します。
ジブリの「崖の上のポニョ」、 最近では「バブル」、ディズニーの実写版「リトル・マーメイド」など、 同じテーマの作品が乱立している状況でした。
今作の観客の感想をSNSで探してみると、ストーリーは王道だったという意見が多く見られます。
独自性のある展開がないと、観客の興味を引くのは難しいですね。
過去の爆死映画と比較してみる
作品名 | 公開年 | 上映館数 | 最終興収 |
---|---|---|---|
ChaO | 2024 | 300館 | 約2000万円 |
ポッピンQ | 2016 | 150館 | 約3憶円 |
海獣の子供 | 2019 | 116館 | 約3億円 |
バブル | 2022 | 87館 | 約2億円 |
この比較表を見ると、「ChaO」の爆死ぶりが際立っています。
過去に「平成最大の爆死映画」と呼ばれている「ポッピンQ」でさえ、 150館で約3億円を記録していました。
「ChaO」は300館という倍の規模で公開されながら、 興行収入は「ポッピンQ」の16分の1以下という前代未聞の結果です。
現在、今作は上映1週目で打ち切りになったとのこと。
上映している映画館はごくわずかながらあると聞いていますが…。
最終的に約2000万円付近で落ち着くとなると、これはもうとんでもないですね。
まとめ:「ChaO」爆死から学ぶべき教訓
映画「ChaO」爆死の教訓
- 作品の質だけでは興行成功は保証されない
- 適切なマーケティング戦略が不可欠
- 上映規模は慎重に設定すべき
- 公開タイミングの重要性
- ターゲット層に合わせたビジュアル戦略
映画「ChaO」の爆死は、映画業界だけでなく、一般の観客にとっても大きな波紋を広げることになったでしょう。
制作に7年をかけ、10万枚という膨大な作画を積み重ねた努力は決して無駄ではありませんが、それを観客に届ける戦略が不十分だったと言えます。
今後、オリジナルアニメーションの制作は慎重に行われることになるでしょうね。
まとめ
今作の公開後に初めてこの作品を知ったのですが、その点で宣伝不足だった点は否めません。
ジブリのようにもともと大きな影響力のある作品であれば、公開後から話題を呼んで持ち直すことはできたでしょうが、正直今作は難しいでしょう。
背景などの書き込みは素晴らしいので一度見る価値はあるかもしれませんが…それにしてもクセが強い。
皆さんもぜひ思ったことを教えてくださいね。
ここまでありがとうございました。
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