【爆死】果てしなきスカーレット酷評は何が問題だったのか?細田守作品を振り返る

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2025年11月21日、細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』が公開されましたね。






しかし公開直後からX(旧Twitter)では「今年ワースト」「映画館がガラガラ」「大コケ」といった声が殺到!

公開4日間の興行収入はわずか2億7000万円と、前作『竜とそばかすの姫』の約22.75%という衝撃的な数字でした。





かつて『時をかける少女』や『サマーウォーズ』で日本中を魅了した細田守監督。

なぜここまで酷評されてしまったのでしょうか。








細田守監督の過去作品を振り返りながら、『果てしなきスカーレット』が抱える問題点を徹底解説します。









なぜ『果てしなきスカーレット』は爆死したのか?興行収入の惨状

引用画像果てスカ
画像引用元シネマカフェ

公開初週から「ガラガラ」だった現実

公開初週、「映画館の席がガラガラ」という衝撃的な報告がXで相次ぎました。

全国389館という最大規模の上映館数を確保したにもかかわらず、客席稼働率はおよそ5%程度という声も。






連休を含む公開4日間の興行収入は2億7000万円、動員数は17万人という惨憺たる結果でした。







前作『竜とそばかすの姫』は公開3日間で8億9000万円を記録していたので、約22.75%まで落ち込んだことになります。






映画業界では初週の数字が非常に重要ですが、この結果では最終興行収入10億円に届くかどうかも怪しいレベル。

2週目以降の上映回数は大幅に削減されることが確実な状況です。



酷評の嵐!?「今年ワースト」の声が続出

レビューサイトでも厳しい評価が並びました。






Xでは「映画鑑賞ではなく肝試し」「芦田愛菜の無駄遣い」といった辛辣な声も。

特に「脚本の破綻」「説明セリフの多さ」「ストーリーの理解困難さ」が批判の的になっています。






一方で「映像美は素晴らしい」という声もあり、完全な酷評一色ではありません。

しかし全体としては否定的な意見が圧倒的に多く、評価が二極化している状況です。







細田守監督の黄金期『時をかける少女』『サマーウォーズ』の輝き

引用画像時をかける少女
画像引用元X

『時をかける少女』(2006年)

時をかける少女は、細田守監督の手掛けた名作中の名作です。



全国21館という小規模公開から始まった『時をかける少女』は、口コミで大ヒット。

最終的に40週間のロングランを記録し、興行収入2.6億円、動員数18万人以上という異例の成功を収めました。





この作品の成功要因は、脚本家・奥寺佐渡子の緻密な脚本と、細田守の演出力の融合でした。

タイムリープという非現実的な設定を、思春期の恋愛や友情という普遍的なテーマに落とし込んだ手腕が光ります。

青春の輝きと切なさを描き切った本作は、現在でも細田守作品の代表作として語り継がれています。





『サマーウォーズ』(2009年)

引用画像サマーウォーズ
画像引用元X

「よろしくお願いしまぁぁぁぁす!」の叫びでお馴染みの本作。




『サマーウォーズ』は興行収入16.5億円を記録し、細田守監督を「ポスト宮崎駿」として一躍有名にしました。

この作品も脚本は奥寺佐渡子が担当し、キャラクターデザインは貞本義行という黄金チーム。






仮想空間「OZ」と現実世界を行き来する物語構造、大家族の温かさ、数学少年の成長物語が見事に融合。

批評家からも観客からも高い評価を受け、細田守監督のキャリアにおける最高到達点のひとつとなりました。

現在でも「細田守作品で一番好き」という声が多く、ファンの間では不動の人気を誇ります。









脚本の転換点?単独→共同→単独という転落

『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)

引用画像おおかみこども
画像引用元X

おおかみこどもの雨と雪は、今話題の『国宝』の」脚本を担当した奥寺さんと共同脚本でした。



興行収入42.2億円と商業的には成功しましたが、この作品から奥寺佐渡子が脚本から外れ、その後は細田守の単独脚本となりました。






ちなみにこの作品は「母親を美化しすぎ」「子育てのリアリティがない」といった批判も出始めます。






ただし、映像の美しさと「母と子の絆」というテーマ性は高く評価されました。






『バケモノの子』(2015年)

引用画像バケモノの子
画像引用元X

本作は興行収入58.5億円という大成功を収めましたが、後半の展開に対する批判が目立ち始めます。


「前半と後半で物語が分断されている」「主人公の心の闇の描写が唐突」といった指摘が相次ぎました。




特に、クライマックスでの『鯨』の登場は「意味不明」と酷評されることも。

それでも、師弟関係の描写や熊徹と九太の成長物語は多くの観客の心を掴みました。











賛否両論の作品たち?『未来のミライ』『竜とそばかすの姫』

『未来のミライ』(2018年)

引用画像未来のミライ
画像引用元X

本作は主人公・くんちゃんの駄々っ子ぶりが物議を醸しました。




この作品は細田守監督の息子の体験をベースにしているそうで、非常にパーソナルな内容。

しかし「主人公が不快」「ホームビデオを見せられている感覚」という批判が殺到しました。






興行収入も28.8億円と、前作『バケモノの子』から大幅にダウン。

Xでは「途中で寝てしまった」「細田守監督作で一番つまらない」という辛辣な意見も。







一方で「家族の繋がりを丁寧に描いている」「子育て世代には刺さる」という擁護意見もあり、評価が真っ二つに分かれました。





『竜とそばかすの姫』(2021年)

引用画像竜とそばかすの姫
画像引用元X

本作は、まだ記憶に新しい人もいるかもしれませんね。

『竜とそばかすの姫』は興行収入66億円と商業的には大成功を収め、細田守監督の復活とも言われました。




音楽とビジュアルの圧倒的な美しさは絶賛され、「映像美だけで観る価値がある」との声も。





しかし終盤で主人公すずが単身で虐待されている少年を助けに行く展開に、激しい批判が集中。

「児童虐待への対応が軽率すぎる」「社会問題を矮小化している」「児童相談所に通報しろよ」という声が相次ぎました。

脚本の穴の多さと、社会問題への誠実さの欠如が問題視され、評価は賛否両論に。










『果てしなきスカーレット』の具体的な問題点を検証

問題点1:脚本の破綻と説明過多なセリフ

今回の議題である『果てしなきスカーレット』はハムレットを翻案した復讐劇というコンセプトは意欲的と感じます。






しかし「説明が多すぎて感情移入できない」との声が多数。

特に序盤から「これはこういう設定です」と観客に説明する台詞の連続で、物語に入り込めないという指摘も。




また、因果関係が曖昧で「なぜそうなるのか」が理解しづらいストーリー展開も問題視されました。




特にクライマックスの展開は「雑」「唐突」と酷評され、「スカーレットが毒を盛られるシーンの意味が分からない」という声も。

細田守監督自身が「自分の演出力を信じ切れていない」との分析もあります。






問題点2:芦田愛菜の声優起用への賛否

本作は主役のスカーレット役に芦田愛菜が起用されています。

彼女の歌唱力は高く評価されており、「劇中歌は圧巻」「透明感のある声が良い」という声が多数。


しかし一方で、「棒読みに聞こえる」「感情の起伏が伝わらない」という批判も。





本職の声優ではないため、長い台詞や感情的な演技に課題があったという指摘です。

金曜ロードショーでやるタイプの映画にはよく俳優さんらが起用されて、今回のような事例と似た騒ぎがたびたび起きますが、これに関しては「本業の声優さんを使ってくれ」というのが本音です。

俳優さんらにはいい経験になるでしょうが、丹精込めて作られた作品にしなくてもいい挑戦をして視聴者の不評を買ってしまうようでは本末転倒なのではないかと思います。






問題点3:このシーン何?



詳細は言及を避けますが、本作は現代と中世の世界観が登場人物たちの加減でごちゃごちゃになっています。




そのため、視聴者からするといきなり雰囲気がガラッと変わる、意味の分からないシーンに切り替わることもあり「このシーン一体何?」と困惑する方も多かったようです。






作品の中で丁寧に説明されていればどうにか解釈もできたでしょうが…。



問題点まとめ「演出家としては最高…なんだけど」





細田守監督の良いところは、リアリティのある『ガツンと心に来る描写・演出』です。

どの作品においても、キャラクターの感情を最大限に動かす演出は評価が高い印象ですね。






しかし、原作(脚本)に関しては、世界観の作りこみや設計、そして説明不足な点が目立つとされます。

果てしなきスカーレットが爆死したのも、今までの悪い面が凝縮されてしまった結果なのかもしれません。





それでも評価する声も…本作の魅力って?

圧倒的な映像美とCG技術の進化

現在まで非常に批判の多い本作ですが「死者の国」の荒涼とした風景や、スカーレットの剣劇シーンは評価が高いです。





細田守監督の演出力の高さは健在で、キャラクターに「重力のかかった痛みと重さ」が伝わる動きが素晴らしい。




劇場のスクリーンで観るからこその迫力があり「映像だけでも観る価値がある」との声も。





スカーレットというキャラクターは〇

スカーレットのキャラクター、主にビジュアルや行動面は評価が良いです。






復讐に燃える女の子が恋を知って変わるところ、そして女の子らしいところやたくましいところは好評。

私も強い女の子は好きなので、ここは同意です。






ビジュアルも今までの作品と比べても万人受けしやすい感じになっていると思います。





まとめ

果てしなきスカーレットは、予告編だけならまだ見てもいいかな…という気持ちだったのが本音です。

ただ、ファンの方には申し訳ないですが、私はデジモンやワンピースのお祭り男爵以後細田さんの作品を控えたい病を発症しまして…(あれも絶望的なシーンの演出や描写は好きでしたが、正直二度は見たくないです)。

今後はサマーウォーズや時をかける少女のような、良さだけを出した作品を描いてくれることを祈っています。

ここまでありがとうございました。

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この記事を書いた人
カピたろう

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