YouTubeを観ているとよく見かける韓国の漫画の広告。
整った顔のキャラクターに色彩豊かな背景に…と、韓国の漫画はどれも絵が綺麗ですよね。
私も広告をみて綺麗だと思った絵がことごとく韓国のものでびっくりしたことがあります(笑)
なぜ韓国の漫画はこんなに絵が綺麗な作品ばかりなんでしょうか?
今回はその理由を考察していきます!
広告でよく見かける漫画4つ【女神降臨・捨てられた皇妃・ある日お姫様になってしまった件について・ゴッドオブブラックフィールド】
韓国の漫画ってたとえばどんなの?という人のために、You Tube視聴中の広告でよく見かけるものをまとめてみました。
・女神降臨
【この話のポイント】いじめられていた主人公がメイクスキルで美人に大変身して新しく人生をスタートさせる逆転シンデレラストーリー。
笑いあり恋ありの、日本に入ってきた韓国漫画の先駆けとも言える作品です。コメディ色が強いので初めて韓国漫画を読む人にはオススメです。
主人公の特徴が『容姿のコンプレックス』『いじめられっ子』『普通の女の子』というのが共感しやすいです。
誰でも心の底で思う「可愛くなって周りからもてはやされたい!」という願望を形にした漫画なので、読んでいる自分の夢が叶ったような気になりますね。
絵柄も現実味のある美形に描かれているので、主人公のような人も実際にいそうな感じがします。
もしかしたら自分も変われるかも…!なんて不思議な気持ちになる漫画です。
・捨てられた皇妃
【この話のポイント】とにかく理不尽な目に合って死んでしまった主人公が死んで過去の自分に戻り、未来を変えるために頑張るストーリーです。
物語は中々の長編ですが、読み進めるたびに主人公の頑張る姿を思わず応援したくなります。
主人公の女の子の過去がとにかく可哀想です…。
「えっ!?こんな言いがかりつけられることある!?」と驚いてしまうほど登場人物たちに酷い扱いを受けるので、最初はちょっと読むのがしんどいですね。
ただ、過去に戻ってからの主人公は周りから愛されるようになって、読む方としてはそこで報われる感じがします。
苦しい場面から報われる瞬間がクセになる構成です。
過去と同じような展開にならないのも先が読めなくて面白いと感じました。
・ある日、お姫様になってしまった件について
【この話のポイント】赤ちゃんに転生した主人公は自分が前世で読んでいた小説の登場人物と気づきます。しかも遠くない未来自分は冤罪で処刑されてしまうことも…
とにかく美しい絵と可愛らしい主人公、心情に訴えかける漫画の構成に惹きつけられる作品です。
このお話はとにかく美しいんです。
絵が綺麗なのは勿論ですが、物語の重要な場面の引き込み方とか、切ない部分の見せ方が胸にグッと来ます。
その場面の登場人物の心の内を想像する楽しみのある物語だと思いました。
個人的には一番好きな作品です!(笑)
・ゴッドオブブラックフィールド
【この話のポイント】プロの傭兵として活躍していた主人公がある日、いじめられっ子の男子高校生に生まれ変わります。自分に絡んできたいじめっ子を撃退した事がきっかけで、どんどんトラブルに巻き込まれていく…というストーリー。
次々と変化する状況に技術で応戦する主人公が格好いい痛快な漫画です。展開が早く登場人物たちの動きも活発なので飽きることなく楽しめます。
この漫画の良いところは『痛快』なところ。
大きなトラブルに巻き込まれても、主人公が自身の技術でサクッと(※苦労する場面もあります)乗り越えていきます。
毎回違うやり方で障害を乗り越えていくので見ていて飽きないです。
アクション系のお話ですがギャグもあって、読んでいて気分が重たくなりません。
主人公の顔立ちも格好良いですよね!
【考察】韓国の漫画の絵がキレイな理由とは?
ここまで韓国の漫画を一部ご紹介してきました。
中には「これ見たことある!」という作品もあったのではないでしょうか。
ここからは、韓国の漫画の絵が綺麗な理由を考察していきます!
大衆受けしやすい絵柄を求めた結果
日本で読まれている漫画は作者の絵のクセを感じやすいものが多いですよね。
代表的なもので言えば『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦先生や『カードキャプターさくら』などで有名なCLAMPなど。他にも街中で絵を見かけて「なんかこの絵知ってるかも?」と調べたら知っている作者の絵だった、なんてこともあるでしょう。
つまり、見ればその人だと分かる個性が日本では「良い」とされます。
韓国では、個性的な絵があまり受けないのではないでしょうか。
上でご紹介した作品の絵は顔のラインがスッとしていて癖がなく、体型も絵画のように整っています。舞台が王宮や宮殿のものはキャラクターが来ている服もかなりの頻度で変わっていて、装飾も豪華。
読者に不快感を与えず、パッと見ただけで惹きつける工夫があります。
あの綺麗な絵は、そうして大衆受けしやすさを求めた結果なのかもしれません。
韓国の社会的な側面
韓国はいわずと知れた超競争社会です。
どのような分野においても活躍するのは超一流の人に限られます。
ならば、韓国で漫画家として活躍し、知名度のある方はかなりの実力者ということになります。私達が見る韓国の漫画は日本でも受け入れられていますから、実力がある証拠です。
力量が確かだからこそ、あの綺麗な絵が生み出せるのではないかと思います。
電子書籍の普及の結果
私たちがよく目にする韓国の漫画は、韓国発のウェブコミック『Webtoon(ウェブトゥーン)』が始まりです。※『Webtoon(ウェブトゥーン)』はスマホで読むことに特化した縦読み式の漫画の事。
さて、韓国では電子書籍の普及率が53%ほどで日本の24.2%と比べるとかなり高い数字になっています。≪参考サイトJEPA日本電子出版協会≫
数字を見てみると韓国でのスマホで読める漫画の需要は高かったことがわかりますね。
そしてWebtoon(ウェブトゥーン)と呼ばれるウェブコミック最大の利点は、書籍として出版しないため印刷に使用するインクの費用がかからないこと。
フルカラーでの提供も容易になるので、スマホで読める漫画を求めている読者を惹きつけようと思ったら当然フルカラーになります。
そんなフルカラーの漫画が白黒の漫画を見慣れている私たちには綺麗だと感じられるのかもしれません。
漫画作成に関わる人員が多い、こまかな分業によるもの
ウェブトゥーンは従来の漫画と違い、制作の過程が細かく分業されているそうです。
「韓国発の新たな市場のため、国内で制作するノウハウを持つ人が少ないのが実情です。また、漫画の編集者出身でないと、制作に携わるのが難しいと思われがちなため、なかなか人材が集まりません。しかし実は、従来の漫画とはつくり方が全く異なります。イラストを描く人、カラーを塗る人、ストーリーを考える人、ネーム(割りやセリフなど)を考える人、そして全体のディレクションができる人など、漫画に比べて分業するポイントが多いため、同じように分業制でつくるアニメやゲームのクリエーティブに携わる人のほうが、漫画編集出身者より制作に向いている場合もあります」(村松氏)
引用https://news.yahoo.co.jp/articles/3c5469bb491803e00432dcdb3e96a782cf10973e
一人の作家が1つの作品にこだわれば、背景・キャラクター・絵の塗り方・話・構成などの個性を味わえますが、そのすべてを担当するので作家の体力次第で質が落ちることが考えられます。
分業した場合は、それぞれの分野の担当が少ない労力で最大限パフォーマンスができるんです。
そうやって物語や絵を細かく分けて作業するから各々の専門性が生かされて綺麗な絵が保てているのかもしれません。
まとめ
ここまで韓国の漫画の絵が綺麗な理由について考察してみましたがいかがでしょうか?
フルカラーの鮮やかさに受ける印象だったり、漫画を作成する人たちの細かい分業のなせる技だったりと、漫画の絵が綺麗な理由として時代の進歩のようなものを強く感じられました。
ちなみに私は『ある日お姫様になつてしまった件について』と、ここでは紹介しませんでしたが『ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜』の絵が好きです(笑)
今後もどんな絵の作品が出てくるのか楽しみですね。
ここまでありがとうございました。